ろうそく能を観てきました
喜多流特別公演「ろうそく能」を観てきました。
いつもの大濠能楽堂ではなく、アクロス福岡シンフォニーホール。
一般席なら3500円のリーズナブルさに誘われました(プレミアム席は5000円)。
美しい舞台でしたよ♪
「羽衣」
演目は3つ、能「羽衣」、狂言「二人袴」、能「大江山」の三曲でした。
休憩15分を入れて、総公演時間は3時間半ほど。いつもの能公演より長いような気がする。
シンフォニーホールのステージに特設能舞台を設えての公演。
まわりに電灯がろうそくのように配されています。
思ったより「ろうそく」っぽくはなかったのですが、やっぱり多少雰囲気は違ったかな。
席は前から四番目の舞台向かって左寄り。
能舞台はない(普通は脇正面のあたり)ところですが、まあ支障なく観られました。
真正面から見るのとは多少やっぱり違いましたけどネ。
さて「羽衣」です。
これはよく知られている羽衣伝説のお話です。
三保の松原で漁師が、松の枝にかかっている美しい衣を見つけて持ち帰り家宝にしようとします。
そこで天女が現れ、それは自分の羽衣である、それがなければ天に帰れない、返して下さいと頼みます。
最初は返すまいと思う漁師ですが、嘆き悲しむ天女を気の毒に思い、
天の舞を見せてくれるのなら羽衣を返そうと言います。
羽衣がなければ舞えないので先に衣を返して下さいという天女。
返さばそのまま去ってしまうのではないかと疑う漁師。
しかし「天には偽るということがありません」という天女の言葉に恥じ入り、漁師は羽衣を返します。
天女は羽衣を着て美しい舞を舞い、地上に宝を降らせて、やがて天高く昇っていきました。
天女がとても綺麗でした!
どうしてあんなにキレイに見えたんだろう。
特に羽衣をまとってからの天女はものすごく美しく
男性が演じてらっしゃるのですが、それも全く忘れるほど。
これが腕なのか。
ぜひまた観たいと思いました。
「二人袴」
続いて狂言の「二人袴」。
結婚後、妻の実家に挨拶に行く日を迎えた聟。
しかし聟は一人で行くのを心細がり、父に舅の家の門前までついてきてもらいます。
聟ひとりで中に行くはずだったのに、父も太郎冠者に見つかってしまい、ふたりとも舅に挨拶することに。
しかし礼装の長袴は一枚しかありません。
ふたりに一枚の袴。さあどうする・・・。
番組表の解説には聟に付きそうのは「父」となっていたのですが、今回はそこが「兄」で演じられていました。
ネットで見てみたのですが、それらの記事も「父」とされていたので、本来は「父」なのかな。
今回だけ「兄」の設定にしたのでしょうか。
弟がやたらおとぼけキャラで面白かったです(笑)。
太郎冠者がしゅっとしてらしたなあ。
いつもより台詞がわかりやすかったのですが、すこし現代風に寄せてらしたんだろうか。
それとももともとわかりやすいんだろうか。
演者さんは茂山千五郎家の方々。
茂山あきらさん、茂山逸平さん、茂山千之丞さん、鈴木実さん。
初めて拝見したと思います。
関西のイントネーションだな、と思ったら京都の方々でしたか。
今サイトを拝見して、なんだか刺さってしまった。
今後チェックさせていただきます。
大江山
「大江山」は酒吞童子退治のお話。
これも有名ですね。
源頼光は酒吞童子(人を取って食う鬼)を退治するため仲間と大江山に向かいます。
山伏姿に変装した頼光らは童子に会い、気を許させて酒宴を囲み、
酔った童子は寝室へと入っていきました。
やがて変装を解き、童子の寝室に攻め込む頼光ら。
そこには鬼の姿をした童子が眠っておりました。
目を覚ました童子と壮絶な戦いののち、頼光は酒吞童子を無事に討ち果たします。
後半が特に面白かった!
かっこよかった!
立ち回りもあり、能にしては動きが激しく、
言ってみれば「わかりやすかった」のかもしれません。
頼光役の御厨誠吾さんはよく拝見する方です。
好き。
こちらの演目も、また観たいなと思いました。
公演終わって外に出ると、目の前にイルミネーション!
12月って華やかでいいですねえ(写真撮っておけばよかった)。
天神中央公園に面したシャポーでケーキセットをいただきつつ、
公演の感想など語り合って帰ってきました。
やっと最近能の面白さが判ってきたような気がするなー。
若干眠たい時間帯があったのも事実ですが(笑)。
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